ホワイトシェパード 歴史
警察犬などとして活躍しているジャーマン・シェパードは、優れた牧羊犬をつくるためにさまざまな犬種の交配をおこなって生れました。
その際白い色の犬も使われることがあったので、白い毛の遺伝子を持つシェパードも誕生しました。それが、ホワイト・シェパードです。しかし、シェパードを軍用犬や警備犬として起用していたドイツでは、白いシェパードは不適格として、生まれてすぐ処分される時代が続きました。
そこでアメリカ人ブリーダーが本国にホワイト・シェパードを連れて帰り、繁殖をおこなったことで次第に数が増えてきました。
そうして増えたホワイト・シェパードは、今度はスイスに輸入されます。このホワイト・シェパードの子孫はヨーロッパでも次々に繁殖され、「ホワイト・スイス・シェパード」と呼ばれるようになりました。
白いジャーマン・シェパードとして認められるようになっても、使役犬としての訓練や展覧会の出場などは完全に拒絶される状態が続いたため、ホワイト・シェパードは一般の家庭犬として生きていくしかありませんでした。
そのため、友好性やおとなしさを重視した交配が行われ、今日のホワイト・シェパードの特徴をそなえた犬になりました。性格がおとなしいといっても使役犬として優秀であることに変わりはありません。その能力の高さと性格の優しさ、優雅な風貌と不幸な歴史から、日本を含めて世界中に熱烈な愛好家が存在します。