モーツアルト

モテット「アヴェ・ヴェルム・コルプス(おお、まことのからだよ)」二長調 K618

 

 

 

モーツアルト

この曲(モテット「アヴェ・ヴェルム・コルプス(おお、まことのからだよ)」二長調618)が作曲された年は、モーツアルトにとってとても忙しい一年でもありました。2つのオペラ、レクイエムの依頼が入っていました。それに加えて、彼の妻であるコンスタンツェは、6人目の子供の出産を控えていました。病弱であるコンスタンツェは、妊娠の影響で体調はますます悪化して行くばかり、妻はウィーンから、少し離れた温泉地バーデンに行き、モーツアルトは、度々ウィーンとバーデンとの間を見舞いの為に、往復する生活が続いていました。

 

アヴェ・ヴェルム・コルプスは、そんな多忙の中、安らぎを求める為に彼によって書かれたのかもしれません。モーツアルトは、この楽曲を6月17日に書き終え、当時バーデンで妻の世話をしてくれた地元の合唱指揮者、アントン・シュトルに感謝の気持ちとして、贈呈されました。プレゼントに、こんな美しい曲をさっと書けてしまうモーツアルトは、やはり天才です。

 

 

 

モーツアルト

 

この曲(モテット「アヴェ・ヴェルム・コルプス(おお、まことのからだよ)」二長調618)の、オリジナルの歌詞は、14世紀、中世の頃に書かれた詩だそうで、作者は不明です。キリストは、人々を愛し、人々を罪から救う為、自らの命を捨て、十字架に身を捧げた。そのキリストに対しての祈り、深い信仰が唄われる、純粋な教会音楽の一つです。この歌詞の内容から、感じられることは、当時モーツアルト自身、自分にも死が近づいていることを感じ、彼自身安らかな死を迎え、永遠に残る音楽をこの世に残しておきたいと考えていたのかもしません。

 

この曲(モテット「アヴェ・ヴェルム・コルプス(おお、まことのからだよ)」二長調618)には、強弱や注意書きが殆ど記されていません。
始めに、”Sotto voce”(柔らかく、静かな声で)と書かれた説明書きがあるだけです。ダイナミックは殆ど変わることなく、安定した声量で静かに演奏されます。シンプルな中にも、一つ一つの音が、ダイヤモンドのように輝きを放ち、神秘的かつ幻想的な雰囲気が漂います。

 

 

モーツアルト

 

モーツアルトは、この曲を書き終えてから約半年後の12月5日に息を引き取ります。

 

この心洗われるような極上の音楽は、モーツアルトの傑作の一つといっても過言ではありません。この曲(モテット「アヴェ・ヴェルム・コルプス(おお、まことのからだよ)」二長調618)こそ、モーツアルトが最後に人々に残した最高級のプレゼントではないでしょうか。

 

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