ベートーベン 運命

ベートーベン>ベートーベン 運命【交響曲第5番 運命】解説3

 

 

 

ベートーベン 運命

でも、やはり死ぬ勇気がない。毎晩苦しんで、苦しんで…悩みます。天国にいくか、やはり天国に行くことを止めるか。でも最終的に、やはり死ぬことも楽ではないと気づきます。別世界に行っても、この世界と同じで色んな苦労があるはずだ、と…。

 

第3楽章は、自分が天国に行く様子を描写しています。日本人の感覚では、三途の川をわたるイメージといったら、正しいでしょうか。

 

 

ベートーベン 運命

チェロとコントラバスによる低音での「幽霊の動機」と呼ばれる主題が出てきます。この世とあの世の区切りに立っているベートーベン。向こうからは、“早くこっちにおいで。”と囁きが聞こえてきます。そして、この世の住民からは、“早く向こうに行ったらどうなのだ“、とざわざわした声が聞こえます。両方からの声で、気が狂ってしまうのではないかという錯覚に襲われるベートーベン。じっくりと自分の心の声に耳を傾けます。“運命は、どうこれから自分を動かして行くのか!”“自分はいったいこの運命にどうやって、立ち向かって行けばいいのだろうか!”

 

 

 

ベートーベン 運命

そして突然ホルンが、フォルテッシモで運命の動機を奏でます。ベートーベンはピアニストとしての人生を完全にあきらめ、作曲家として生きて行くことを決心します。死の瀬戸際まで追いつめられ、初めて、金、名声、権力、全てを捨てても良い。純粋に音楽を作って行こう!と思うことができるようになったのでしょう。

 

第1楽章が、運命の到来。そして、第4楽章では、その苦悩を乗り越え、運命に打ち勝った自分を讃える様子が、描写されています。初めの暗いムードから、最後には明るく終わるクライマックスです。

 

交響曲第5番には、ベートーベンの苦悩と恐怖、そして喜びなど沢山の感情が入り交じった交響曲です。初めは、難聴により、自分には暗い運命が待ち望んでいるのだと感じるベートーベン。しかし、“運命”とは、常に悲運ばかりではなく、新しく道を開いて行くことの出来る運命であったということに気づきます。

 

 

 

ベートーベン 運命

皆さんも、このような運命がドアを叩いている音を感じるということを、実際に経験したことがありますでしょうか。

 

私自身は、ベートーベンほどの辛い運命を経験したとはいえませんが、体育の授業中にバスケットボールで突き指をしてしまい、今も右手の小指は、左手と比べて極端に短いのです。当時は、もうこれからピアノが弾けなくなるのでは…と真っ青になりました。でも、落ち着いてから、1オクターブは何も親指と小指で弾かなければいけない、というルールはなく、薬指や中指などでも代用できる!そのことに気づいてから、また明るくなったものです。

 

皆さんも、悲しい運命が急にあなたの元に訪れたとしても、ベートーベンのように、その運命に立ち向かって、輝かしい新しい自分に向かって生きていってほしい。この曲から、ベートーベンのそんなメッセージが伝わってきます。

 

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